『不思議な接着剤』の主要な登場人物を挙げると、

  • 紘平・翔太の兄弟
  • 幼馴染の瞳
  • 洞窟に囚われている錬金術師の娘。

他に、登場人物の中で、2人の異端審問官のモデルは動かしがたいものとして決定している。

錬金術師の娘のモデルとして、初期にモデルとして設定していた――わたしが詩人と呼んでいる、修道女を育成する学校で精神を病んだ過去を持つ――女友達が呼び水(?)となったかのように、ナンとマグダラのマリアが浮上してきた。

瞳のモデルについては、過去ノートに詳しく書いている。

2007年11月29日

№2 物語 1.瞳のモデル
https://etude-madeleine.blog.jp/archives/9067523.html

電器店のシーンでは、まず、幼馴染の瞳をクローズアップさせよう。そして、紘平は彼女に、接着剤の秘密を話してしまう。

紘平にとって瞳はそのような、信頼に足る人物であることは確かだ。冒険に入る前に、瞳に関しては肉づけをかなり行っておきたい。

実は、瞳にはモデルがあった。と過去形になるのは、話の進行と共に紘平に肉づけがなされるにつれ、彼と行動を共にするのは、彼女(モデル)ではないということがはっきりするようになった。

むしろ、紘平と行動を共にするのは、ヒトミちゃんではなく、マチコちゃんだろう。

冒険は大変なものとなりそうなので、初めに考えていたヒトミちゃんがモデルでは、優しく、おっとりしすぎていて、ストーリーが進行しそうにない。恐るべき邪悪な竜に紘平と立ち向かうにも、役不足だ。

紘平は男の子にしてはおっとりしていて、ヒトミちゃんと同じタイプなのだ。ヒトミちゃんは、サバイバル向きではない。紘平もサバイバル向きではないのだが、仕方がない。

不向きであろうがなかろうが、彼には、冒険に入って貰わなくてはならないのだ。この冒険は彼自身が招いたことなのだから。

新たなモデルとなりそうなマチコちゃんは、一緒にピアノを習っていた利発な子で、母子家庭のひとりっ子だった。

小学校のうちに転校してしまったが、彼女と文通を続けていた人の話では、マチコちゃんは女医さんになったということだった。ちなみにヒトミちゃんは、初恋の人とめでたく結婚して、夫婦でお店をしている。

このお話を思いついたときに、瞳は早いうちにわたしの意識に浮上したキャラだった。ポニーテールの女の子が繰り返し、意識に現われるのだ。

だが、イメージはぼやけていた。そしてわたしは、そのイメージを、ポニーテールにしていたヒトミちゃんに重ねてしまったわけだが、それがお話をストップさせた大きな原因だったと思う。  

ポニーテールの子は何とマチコちゃんだったのだ。彼女もポニーテールにしていた。とても可愛らしい子だった。ヒトミちゃんも可愛らしい子だったが、明らかにタイプが違う。

でも、ヒトミちゃんが最初に出てきてくれなければ、電器店でのシーンが思いつけなかっただろう。長い長い停滞だったが、今では意味のある停滞だったと思える。

ちなみに、この瞳には、ときどき子供時代の娘もオーバーラップすることがある。邪悪に初期設定していた竜のキャラはすっかり変り、むしろ聖獣となった。しかし、洞窟に入り込んだ中世風の世界は、当初考えていたよりも遥かに危険な世界となった。

翔太のモデルとしては、息子他、わたしが知っていた複数の男の子が交錯する(現在は皆成人している)。

紘平のモデルだけが決まらなかったのだ。イメージには割合しっかりしたものがあって、話を進めるぶんには困らなかったのだが、心許なさがあった。

それが、急に、その紘平のイメージのなかから、今日、お話の続きを書いている最中に、ある人物が浮上したのだった。 

その人物とは、現在かかっている循環器クリニックのドクター!

ユニークなキャラだとは感じていたが、なるほど、紘平にはぴったりのキャラかもしれない。先生は優秀なかただが、どことなくおっとりとした、屈託ないところがおあり。

この場面で紘平はどう考えるのだろう、といったようなときに、小学校高学年だった頃の先生だったら、どうお考えになっただろう、と考えることになりそう。

瞳のモデルは、女医さんになったマチコちゃんで、先生もこれまた、小児喘息にもめげずにドクターになったかた。

幼馴染のモデルに設定するには、ある意味、似た者同士ということになり、ちょっとめりはりに欠けるかもしれないが、危険の待ち構えている洞窟に入るには、よいコンビという気もする。ナンにしても、ドクターがモデルとして勝手に(?)浮上してこられたのだから、仕方がない。

尤も、紘平は現時点ではアナウンサーになりたいと思っていて、いずれにしてもドクターにはならないだろう。

モデルに設定したとはいっても、まあ全てが、あくまでわたしの想像にすぎないわけだが、人物が金太郎飴みたいになってしまわない工夫として、モデルはやはり必要なのだ。

この自作童話でわたしが作家になれて、先生とテレビ出演できたらいいですね。なにせ、よくわたしに作家になってね、とか、一緒にテレビ出演したい、などとおっしゃいますので。
 ⇒https://elder.tea-nifty.com/blog/2010/01/post-ba5e.html

心電図は通常の心電図の他に、手首と足首だけの長めの心電図もとられました。「うん、基本形は崩れていない」と満足そうに先生。 そして、正面にはわたしの心レントゲンの写真がライトアップされたまま、先生はおしゃべりに夢中。
何でも、主婦作家がテレビに出ていたそうで、「頑張ってねー、Nさん。Nさんが作家になってテレビに出るときは、僕も一緒に出して貰うから。その賞をとった女の人はね、すごく痩せた、ごく普通の女の人だったよ。それで作家なんだそうだ。Nさんにはぜひ、頑張って作家になって貰いたいなあ」と、何やら興奮気味の先生ですが、そういう場合は、先生は先生でも、主治医とではなく、恩師とテレビ出演するのが一般的なのではないでしょうか?

作家になる基礎づくりの一貫として、これからも治療のほう、よろしくお願いします(まさかこのブログをご覧になったりということはないと思うが、一応ご挨拶)。